ちっちゃいばあちゃんの三回忌
先週末、ひぃばあちゃんの三回忌があった。
ひぃばあちゃんが亡くなってからもう2年が経つ。あの年は僕の周りの色々なことが変化したり、自分自身の中でも成長したし、ある意味転換期にもなった年だった。
僕は小さい頃からひぃおばあちゃん子だったのもあって、おばあちゃん家に行ったら一階のひぃおばあちゃんの部屋に行くのがお決まりだった。
僕の知ってるひぃばあちゃんは、白髪頭でしわくちゃな顔をした背の小さいおばあちゃんであり、僕はひぃばあちゃんのことを「ちっちゃいばあちゃん」と呼んでいた。
僕の前ではめちゃくちゃ優しくて、どことなく仏のような雰囲気が生前からあった。
だから、亡くなった今でも仏壇の遺影を見ると優しかったちっちゃいばあちゃんが僕のことを見守ってくれてるように思えて何故か1階の部屋にいると安心する。
そんなおばあちゃんも昔はとても苦労したらしい。「昔の人はみんな苦労した」みたいな話はよく聞くが、ひぃおばあちゃんも例外ではなく、若い頃には家族のためにとてもしんどい思いもしながらも身体を張ってお金を稼いでいたみたいだ。
家族のことを支えてきた一家の柱だったちっちゃいばあちゃんの法事の時にはたくさんの人が僕の家に集結する。
それだけみんなに慕われていた証拠なんだと思うし、曾孫としても嬉しいことだと思う。
とは言え、久しぶりにあう親戚の人と挨拶をするのはちょっと緊張する。
あんなに小さかった親戚の男の子が今年から中学生になっていて、なんの部活に入ろうか、コロナ休みが長かったせいで友達が出来るか心配だみたいなことを言っていて、時代の流れを僕なりに感じた。
僕も就活のことを聞かれた。
教師になるという夢は昔から言っているのでみんなに、こんな時期で大変やな、と慰められた。
僕も、今年は無理そうやけど諦めずに頑張るわと、言っといた。
本当のことを言ったのに、何故か心の中で罪悪感があった。親戚には早く帰って欲しいと願った。
バイトを言い訳に早めに席を外した。
自分の部屋に入ってベースの練習を小一時間してからその日はバイトに行った。
少し大きめに音を鳴らして。